【あらすじ】
日本最大級ネット書店のイーブックオフ
男らしくて超モテる千野は外見に似合わず、後輩の有坂に片想い中。それは恋する乙女そのもので…。書き下ろし収録の待望の文庫化!!
【感想】
@古本市場
クマを連想するようなガタイ良しの男前なのに、心はとっても乙女。一部で話題の「乙女クマ」、出遅れて挑戦させて頂きました。乙女クマの想像以上の乙女振り(星座まで乙女座)にたまげました。絶滅危惧種とも言えそうな程の乙女振りです。ここまで徹底されると、いっその事気持ちが良いです。
受が攻に貸したものが、ビデオだったのにも関わらず、直後にDVDに変わっていたり、登場人物の台詞意外の文章に「”ら”抜き言葉」が入っている事が気になって、そこだけが残念だったのですが(こ煩いおばちゃんですみません!)、乙女クマにはガン萌えさせられました。(笑)
某スマタチャットにて「乙女クマ・・・!乙女クマ・・・!」と、新手のシュプレヒコールかと思う程に「乙女クマ」がと連呼され、それによって興味を持ち、購入を決断しましたが(喰い付くきっかけがおかしいですね。「トンキワ会顧問」へのお誘い話を頂いてしまうのも、自然の流れだと確信しつつあります)、この乙女振りは確かに凄い。
フェミニン+乙女な受は見かける事がありますが、今作の乙女クマは、外見はどう贔屓目に頑張って見ようとしても、「格好良い」や「男前」の部類。それにも関わらず、もんの凄く乙女な訳ですよ。
女二人+男一人の三つ子として生まれたものの、姉二人を軽々と凌ぐ乙女振りは、いっその事清清しい程の乙女。姉達の雑誌やマンガを借りては、ベタなラブロマンスに心をときめかせ、そして占いも気にする。男として生まれてしまった自分が、女の子のように華奢でも柔らかくも無い事に劣等感を覚え、憧れはするものの、女の子になりたい訳ではない。トランスセクシャルな男の子が、女の子の気持ちで男に恋をするのでは無く、男として生まれてしまった自分に劣等感を持ちつつも、男なりの乙女振りで男に恋をするのが面白い。
完全に「女の子になりたい。女の子として愛されたい」と言う意思表示が出てしまえば、それはもう、BL路線からは外れてしまうので、この捌き方で良いのだと思いますが、もんの凄く攻に恋焦がれているのにも関わらず、肝心な時には尻込みしてしまう女々しさも抜群。
度合いも”勿論”高い。「これ以上の女々しさは無いのでは?」と考える程に女々しい。多少女々しいキャラクターは許容範囲でありながら、過度の女々しいキャラクターは苦手な私ですが、ここまで女々しさを貫かれると応援体勢に入ってしまいます。女々しさがハンパないんです。ここまでの女々シストにはお目にかかった事はありません。それ程の女々しさ。「女々しさ・オブ・ザ・イヤー」があれば、間違いなくグランプリ確定の女々しさ。凄い、凄過ぎる。
数々の悲喜交々を経て、憧れの攻と恋人になった後だって、勿論女々しいままで乙女全開。神社へ初詣に出かければ「カップルが渡橋をすると別れる」と言うジンクスに怯える所まで乙女。兎に角まあ、骨の髄まで乙女です。
将来の家族生活をうっかり妄想してして見せた場面では、思わず「よっしゃー・・・!」とテンションをあげてしまいました。「旦那様がいて、自分がいて、子供達が居て・・・」的な、この頃の少女マンガの乙女ですら見かける事が無いような、「乙女の将来設計」についての妄想が素敵。あまりにおぼこで可愛い事を考えているものだから、「実現すると良いわね!」と応援をしてしまいそうになりました。(笑)
年下の攻めにイシニアチブを委ねつつ、自分が男であると言う事の劣等感は拭いきれず、攻の元恋人の存在があれば、成就したはずの初恋から自分の身を遠ざけてしまいそうになる。「攻の相手は女の子が相応しい」等、非生産な同性同士の恋にも悩みますが、しっかり悩みを見せてくれる恋愛模様は良いですね。
性の垣根をアッサリ越えてしまうトンチキ・トンキワ設定も大好きですが(すみません)、性の垣根を簡単に越えられない同性愛の方が、非生産な恋を成就させる事への深みを倍増してくれます。乙女クマな受にばかり言及してしまいましたが、年下の攻君も良い味を出していました。
乙女クマとは違うタイプの男前な攻君ですが、元々はノーマルなだけに、同性の乙女に惹かれてしまう事に戸惑います。攻受揃って「同性に惹かれてしまった事」に戸惑う様子が見られますが、BLだからこそ、こうした展開があると、恋愛が自然に感じられて良いですね。トンチキものや、真性ゲイ、バイセクシャルを標準装備した人物が出る場合は兎も角、そもそもが非生産の同性同士の恋愛なのですから、戸惑いや葛藤はあって然り。
ドS発言になりますが、うっかり同性に惹かれてしまった事に対し、登場人物達が悩んでくれると嬉しいです。二人の恋愛を見守る人物には、小柄美少年なのに性格はバリバリな男前の朋巳と言う、受の親友の存在がありますが、この子も良い「焚き付け役振り」を発揮してくれました。仕事振りも優秀で、受を後押ししたり、攻が慌てるように煽ったり、当て馬的な役割も果たしてくれていました。とは言え、実際に攻と受がくっついてしまった結末には、実はかなり狼狽しているのではなかろうかと思います。(笑)
気付けばストーリーにはあまり触れないままで終わる感想となりましたが、初めての濡れ場で、攻君から「こんな所までかっこいい(場所はお察し下さい)」と言われてしまった乙女クマの、乙女な心とは裏腹の外見の格好良さにもグっと来ました。(笑)
兎にも角にも、「超絶的な乙女受け」をお求めの方には、大満足の仕上がりかと思います。そんじょそこらの乙女よりも遥かに乙女です。鬱陶しい程の乙女です。読み進める内に「可愛い・・・♪」と思ってしまった私は、砂原先生の戦略に負けたと言う事でしょう。大完敗です。
ミスター・ロマンチストの恋(BK1)
★可愛いレンタルサーバーLOLIPOP!
⇒ ハスイ (11/22)
⇒ 月子 (11/21)
⇒ ハスイ (10/23)
⇒ 椿 (10/23)
⇒ ハスイ (10/19)
⇒ ハスイ (10/19)