足跡情報


ご挨拶

ハスイ

Author:ハスイ
観察点は曲がり気味。そしていつも的外れ。個人の独断と偏見に基づいた「ゆるい」感想ブログです。

閲覧は「冗談が通じる方・心の広さがオーシャンスケールの方推奨」でお願い致します。


カレンダー

07 | 2008/08 | 09
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

最近の記事


カテゴリー


デコイ 囮鳥。

デコイ 囮鳥 (SHY NOVELS)

獅子は獲物に手懐けられる。

獅子は獲物に手懐けられる (SHY NOVELS)

新任教師 (上)

新任教師(上) (二見シャレード文庫) (二見シャレード文庫 や 2-7)

気になるものメモ。

++【Novels】++

  • ただ優しくしたいだけ /水原とほる
  • デコイ 囮鳥/英田サキ
  • デコイ 迷鳥 /英田サキ
  • 雪の記憶(仮) /剛しいら
  • きみがいるなら世界の果てでも /榎田尤利


  • ++【Comics】++



  • ++【アンソロジー】++


  • ++【BLCD】++
  • オトナ経験値


  • 【Others CD】
  • MOMOTTO TALK CD4 神谷浩史盤

  • 美男の達人





    【あらすじ】

    『美男塾でイイ男の極意教えます』
    メタボ体型のせい(?)で失恋した先輩に付き合って『美男塾』の見学説明会に参加した上遠野。モテることになんら興味はなかったのに、ある男性講師に一目惚れし、勢いで入塾してしまうが…!?

    日本最大級ネット書店のイーブックオフ

    【感想】

    タワーレコード


    小林先生は独特の文章をお書きになる作家さんですね。うっかりしている内に感想も3作目に入ったので、本日から小林先生カテゴリーを増設しました。

    早速ですが、おおまかな流れはあらすじ通り。

    ちょっとだけ乙女趣味を持つ郵便局員の瑛士は、失恋した先輩・国仲に付き添い、『美男塾』の説明会に参加をする。色々と切羽詰り気味の国仲とは違い、軽い気持ちで参加をした瑛士だったが、美人講師・夏秋に一目惚れ。そのまま勢いづいて、国仲共々入塾。恋愛力、及び自分磨きについてのセミナーを受けつつ、夏秋に近付きたいと考える。しかし公私をきっちり分けている夏秋は、鬼のようにガードが固い。夏秋の牙城を崩す事が困難だと感じ始めた頃、偶然に夏秋の息子・凛と出逢う。この出逢いが瑛士に見方をしてくれる訳ですが、夏秋の職務中の猫被り様と、私生活での鼻っ柱の強さのギャップが良かったですね。(笑)

    鼻っ柱の強さは、男手ひとつで必死に一人息子を育てようとする気概から滲み出ているものですが、その荒々しさが好きでした。子供の凛との父子関係が良い事もまた、和みましたねえ。子供ながらに大人びた面を見せる凛と言えば、自分が置かれた環境を理解しつつ、一生懸命に一人前になろうとしている様子が見える。大人びた面が切なく感じられる事もありますが、夏秋とは父子関係だけでは無い、個対個としての関係性も見られて、そう行った部分が幼い頃から養われている事には関心しました。

    「友の会シリーズ」も地味に楽しかったですねえ。「私は関係無いわ」と100%の完全否定が出来ない、(誰に対しても可能性がゼロとは言えない)不吉な未来予想図「白骨友の会」にはグっと来ました。作中で国仲が、将来的な自身の「孤独死」に対する不安を謳った表現の一つですが、身につまされるものを感じました。他人の絵空事とは言い切れない不安を、自分自身でも感じていますしね。例えば今の生活が安定していたとしても、明日の平穏が100%保障されていないのが今の世の中。常に某かの不安を感じる事が多いのですが、「白骨友の会」は殊にリアルに感じられました。「大げさな・・・!」と笑ってしまう反面、直後に「しかし、将来的にはありえる話かも知れないわ・・・」と落ち込みましたもの。

    作品全体としても、コメディーと言うかコントのような「笑える展開」の中には、見過ごせない現実の皮肉も取り入れられているから堪ったものではありません。笑ったり反省したり不安を感じたりと大忙しでした。(苦笑)瑛士が発起人となる「純潔友の会」、基、「絶倫友の会」等、バカバカしさの中に、ちょっとの真剣味が感じられる友の会には純粋に笑わせて頂きましたが。(笑)

    因みに私は、「不味美味(まずうま)グルメ友の会(別称:B級グルメ友の会)」に加入しています。「不味そうに見えて美味しいもの」に出逢う事が理想ですが、大半は見かけ以上にブッ飛んだ味に卒倒するばかり。誰も知りたくない情報を、訊かれもしない内に勝手に答えていますが(すみません)。

    そんな話は兎も角。

    肝心の『美男塾』ですよ!イケメン養成所、若しくはモテない男救済機関。「モテない男をモテる男、自身を持つ男に改造しようぜ」をコンセプトにした、とても判り易い塾なのですが、セミナーそのものは突っ込み所だらけで楽しい。しかしその反面、3次元の現実や皮肉もてんこもり。例え抵抗を感じたとしても、「平均」に乗っかる為には意識的に取り入れた方が良い雛形の羅列は見事でしたねえ。

    「闘わない組を自称しつつも、勝ち負けを気にしてしまう」。ある種の「江古田ちゃん気質」を持ち合わせている自覚がある私は、時々には「痛烈なしてやられた感」を覚えてしまいました。一言で言えばアレですね。「猛禽(狙った相手は確実に落とす。代表的なものは巨乳・天然・ドジっ子。話の聞き分けが良く、どの仕種も可愛らしい。異性からの(場合によっては同性からも)受けが良い)が嫌いなのに、猛禽を見習わないと、色々な事柄の成立が難しい現実の再認識」ですね。

    実生活のイヤンな部分を、これまたイヤンな形で、しかもリアルに触発されて、更にイヤンな気持ちになった事は、実は何度かありました。うっかりしている内に、自己嫌悪に耽る事も屡ありましたよ。セミナー参加者が講師陣から指摘を受け、改善を促されているポイントが、自分にも当て嵌まってしまう事も多々ありましたからねえ。しれえ〜っと恐ろしいですよ、この作品。

    とは言え、作品全体を通してみると、セミナーのシーンが長い。講師陣の論舌も長い長い。(笑)何せ作中で登場するシチュエーションの大半は、美男塾でのセミナーばかり。確かにセミナーの内容を具体的に知る事は重要だと思うのですが、登場人物達が、セミナーで吸収した内容を実践している日常の様子が沢山見られると良かったですね。夏秋を根負けさせる程の、瑛士のストーカー紛いの熱心さには、セミナーの成果が表れていましたが、全体を見るとやはり少ない。(苦笑)

    小林先生の作品は、登場人物達が人を食ったような会話(この辺りは樹生先生の作品でも見られますね)を展開する事が多くて楽しいのですが、個対個の会話以上に、セミナーの説明シーンが多かった事は少々残念。セミナーが前面に出過ぎてしまって、主人公達の恋愛進行が突貫工事的に(進展過程が上手く掴めない状況の中)急激に纏まってしまいましたから。その上、脇役で登場する成金塾頭・箭内のインパクトが凄過ぎました。メインカップルの存在感が食われています。(笑)

    否、これはこれで面白かったのですが、破天荒過ぎる人生や、謎を多く感じる人間性は怪しくて強烈過ぎました。気付けばメインカップル以上に気になる存在になってしまいましたよ。作中で何かと目をかけていた塾生・碧海との間で、今後は恋愛関係が発生するのか否かも気になります。作中で碧海は、瑛二に告白をして玉砕しましたが、是非是非箭内には、傷心の碧海に付け入って頂きたい(希望がろくでなしですみません)。否、「傷心の碧海に付け入って食う予定」はあったようなのですが、具体的には触れられずに終わってしまったので。(笑)

    人生も人間性も破天荒な美中年が、どう行った形で碧海を落とすのだろうかと考えると、異様にテンションが上がって仕方がありません。訳解らんような大き過ぎるスケールで、碧海を甘やかし倒して頂きたい。箭内が主役の続編が登場すれば、確実に買ってしまいそうです。

    等と思いつつも、あの掴み所のないままで、(特定の恋人を持たずに)フラフラと破天荒な人生を突っ走って欲しいとも思ってみたり・・・。(笑)

    気付けば毎度のように支離滅裂な文章を展開してしまいましたが、これまでの花丸文庫からは想像が出来ない文章密度・台詞密度の作品に出逢えて新鮮でした。小林先生の作品は、寿限無寿限無・・・のように、一つの事柄に対して執拗に長説明をする独特の文章リズムがあるのですが、イチイチ面白さを感じます。始まりと結果を説明するだけなのに、一つの文章内に近道+遠回りな表現が混同している事があるのですよねえ。簡潔なようで眼暗ましを喰らったり、眼暗ましに見える文章が、実は簡潔な内容であったり。上手く説明をする事が難しいのですが、幅広い意味合いで個性的。

    非現実を楽しむBL世界のファンタジーを追求する一方で、隣の芝生ではありませんが、自分に無いもの程良く見え、求めてしまう人間のジレンマが、喜劇的な表現の裏に生生しく張り付いていた気がします。 非現実の笑いと現実の皮肉を紙一重、それこそ首の皮一枚で繋げているような状況で引っ張り続ける手腕もお見事。

    パンチの効き過ぎた個性を生かして、このまま突っ走って頂きたいものです。

    美男の達人(amazon.co.jp)




    アニメイト通信販売!

    コメント

    こんばんは!ハスイさん。
    「白骨友の会」は、私の人生こそとてもリアルです…既に『おひとりさまの老後』も読んどかないと、と思っていますし。
    でも、私は“白骨”ならまだマシだよな、って読んでて思ってしまいました、実は。
    去年だったか一昨年だったかの某事件で、夏だと腐乱化、冬だと白骨化するという事実を知って、夏の突然死は何が何でも避けなきゃ!って心に誓ってますもん、私(笑)。

    それにしても、この作品のラディカルさは江古田ちゃんに通じる部分がありますよねー。
    私も昔、宴席でバイト先の先輩に「お前みたいな女は、たとえ絶世の美女的なビジュアル&プロポーションしててもモテねーよっ!」って言われたことを何となし思い出しました。
    彼いわく、男はたとえどんなに興味のないハナシをしていたとしても、そこで相槌打って聞いてるフリをしてくれる女性が良いらしい…(不美人な相手でもコロっといくらしい…です…)。
    確か、夏秋先生の講義にも江古田ちゃんのネタでもこの件が(裏のケースとして)扱われていたような?

    それにしても、この小説を読むと私はとても元気になります。
    まるで、滋養強壮に優れた栄養ドリンクみたいです(笑)。
    小林典雅さんは雑誌のシャレード掲載のストックも何本かある筈なので、もうすこし露出が増えてくれると嬉しいですよねー。
    ちなみに、以前もお話したかもしれませんが、ウチ一本は挿絵が新也美樹さんで、怖いくらいに作風とマッチするイラストでしたヨ。

    ではっ!

    >tatsukiさん

    こんにちは!

    >「白骨友の会」は、私の人生こそとてもリアルです…既に『おひとりさまの老後』も読んどかないと、と思っていますし。

    いやいや、私も立派に予備軍ですよ。色々な面で上手く行かない事が多いのですが、稀に上手く行っている時でさえ、常に将来的な不安を感じていますから。悲観のし過ぎも良くは無いと思ってはいますが、可能性がゼロでは無い事で、大きな不安に陥り易いのですが、こうした不安が浮上するのって、ある程度の年齢を超えているからかも知れません。例えば20歳前後の若い頃に読んでいたら、作中に登場するリアルを、「まだまだ自分には縁の無い絵空事」として楽しんでいたような気もします。「白骨友の会」は、本当に身につまされるものがありますよ。(苦笑)

    >でも、私は“白骨”ならまだマシだよな、って読んでて思ってしまいました、実は。
    去年だったか一昨年だったかの某事件で、夏だと腐乱化、冬だと白骨化するという事実を知って、夏の突然死は何が何でも避けなきゃ!って心に誓ってますもん、私(笑)。

    腐乱か白骨化か、と言えば、私も後者が良いですね。否、誰かに看取って貰えれば、それが理想ではありますが、家族があったとしても、「自分が一番最期」になる事も考えられますからねえ。生まれてしまった以上は、必ず死が訪れる訳で、こちらも悲観し過ぎるのは良くありませんが、ある程度の心の備えは大切だと考えるこの頃です。

    >それにしても、この作品のラディカルさは江古田ちゃんに通じる部分がありますよねー。

    どちらも女性作家さんの作品と言う事もあり、「フェミニズムのネガ」が妙にリアルに感じられますよね。普段は曖昧にしておきたい部分が、ガラス越しに見ているかのような見通しの良さで描かれていますからねえ。一見上は大げさに見えても、的確に「現実の核心」を付いたラディカルさには、色々な面でドキドキさせられました。

    >確か、夏秋先生の講義にも江古田ちゃんのネタでもこの件が(裏のケースとして)扱われていたような?

    私も「可愛げが無い」と言われる人間ですよ。(苦笑)「猛禽ちゃん的フェミニズム」を見習った方が良い自覚はありますが、「そんな媚を売ってたまるか」と思ってしまうから悪循環です。このままだと一生、可愛げの無いままで人生を送るような気がしています。だからこそ、「白骨友の会」が身近に感じられてなりません。

    >それにしても、この小説を読むと私はとても元気になります。
    まるで、滋養強壮に優れた栄養ドリンクみたいです(笑)。

    変にキレイゴトを並べた作品よりも、説得力がある内容ってスカっとしますね。現実を痛感させられて凹む事もありますが、同時に清清しい気持ちになりました。

    >小林典雅さんは雑誌のシャレード掲載のストックも何本かある筈なので、もうすこし露出が増えてくれると嬉しいですよねー。

    私も沢山、小林さんの作品が読みたいです。

    >ちなみに、以前もお話したかもしれませんが、ウチ一本は挿絵が新也美樹さんで、怖いくらいに作風とマッチするイラストでしたヨ。

    その作品も気になっています。文庫化して頂きたいですね♪

    ではでは、感想記事以上に支離滅裂になってしまいましたが、コメント+TBありがとうございました!

    小林典雅さん。

    ハスイさん、こんにちは。
    お邪魔させていただきました。

    やはり人様の感想を読むと、自分の見事なほどのズレっぷりにがっかりきます・・・。

    別の方向でテンションあがりすぎちゃったので(笑)自分の感想では全く触れなかったんですが、塾頭の箭内!
    あそこまでらかさまに匂わされて、なにもなしですか!って感じで、それもまた小林典雅さん・・・すごすぎると思わされました。
    あきらかに、主人公二人より箭内×碧海のほうが、実現可能なカップルですよね。
    それにしても、あの嘘かホントかわからないセールストークから、あの謎の過去まで、すべてが怪しい箭内。
    ぜひ、続編を期待したくなりますよね。
    私も、この二人の話が出たら、迷わず買ってしまいます。

    しかし、この作品、花丸文庫から出たっていうのが、やはり私には衝撃でした。
    でも、この作家さんを見いだした編集さんがいらっしゃるということは、この編集部は将来有望(笑)
    これからの、花丸に期待したいです。

    それではこちらからもTBさせていただきました。

    >棗さん

    こんばんは!

    >やはり人様の感想を読むと、自分の見事なほどのズレっぷりにがっかりきます・・・。

    私においては「ズレているのが普通」ですよ。いつもがっかりしっぱなしですが、「これも自分の持ち味」と、無理やり前向きに考えるようにしています。(苦笑)

    >別の方向でテンションあがりすぎちゃったので(笑)自分の感想では全く触れなかったんですが、塾頭の箭内!
    あそこまでらかさまに匂わされて、なにもなしですか!って感じで、それもまた小林典雅さん・・・すごすぎると思わされました。

    散々引っ張って「何もなし」をオチにするなんて、普通の作家さんだったら「もっと踏み込んで〜!」と言いたくなりそうです。しかし、総てが「規定外」の小林先生の作品だと、そこまでには怒りが出ないのが不思議です。

    >あきらかに、主人公二人より箭内×碧海のほうが、実現可能なカップルですよね。
    >それにしても、あの嘘かホントかわからないセールストークから、あの謎の過去まで、すべてが怪しい箭内。
    ぜひ、続編を期待したくなりますよね。
    私も、この二人の話が出たら、迷わず買ってしまいます。

    箭内の怪しさもそうですが、脇の二人の方が、主人公カップルよりも、余程BL感が満載でしたね。(笑)出来れば、私もあの二人でリンク作が読みたいものです。

    >しかし、この作品、花丸文庫から出たっていうのが、やはり私には衝撃でした。

    私も衝撃を受けましたよ。ここだけの話、「あまり読み応えの無い作品が多い=花丸」だと思っていたので、ここまで読み応えのある作品を出してくれた事は嬉しかったです。

    ではでは、コメント+TBをお送り下さってありがとうございました!

    コメントの投稿



    管理者にだけ表示を許可する

    トラックバック

    http://glitter0217.blog67.fc2.com/tb.php/666-9801285a

    美男の達人

    今回は、全文記事ロストしました…勘弁してくれよ、FC2。 先日からオートで保存されるようになってたみたいだから安心してたら、エラーで跡形...

    美男の達人:小林典雅

    美男の達人 (白泉社花丸文庫 こ 6-1)小林 典雅Amazonランキング:7489位Amazonおすすめ度:Amazonで詳細を見るBooklogでレビューを見る by Booklog <あらすじ> 淑女の皆さん、ごきげんよう。美男塾塾頭の箭内です。美男塾―それはイケメン養成所もしくはモテない男救済...

     | BLOG TOP |