【あらすじ】
人質として隣国に預けられた王子ラシュリは、男娼のごとく老皇帝の慰み者となっている。そんな彼の前に従者として現れた、過去をすべて失った元剣闘士・ジェイド。一途な忠誠を誓うジェイドだが・・・。
日本最大級ネット書店のイーブックオフ
【感想】
楽天ブックス
中村先生の挿絵作品と言う事もあり、発売前から楽しみにしていた作品ですが、色々と萌えさせて頂きました♪
竜が伝説のものではなかった時代。小国アベリエの第3王子・ラシュリは、母国と従者を守る為、敵対するガズマール国の老皇帝・ザクトーレの慰み者となっていた。従者の兄妹に支えられつつ、男娼同然の日々を送っていた。ラシュリはある夜、ザクトーレが開いた宴の余興に登場した剣闘士・ガンデロイと出逢う。
名が「黒き死神」をガンデロイは、強大な獣を打ち倒した。勝ち上げた記念に欲しいものを所望されたガンデロイは、ラシュリに傅いた。ガンデロイに惹かれたラシュリもその状況を利用し、従者として彼を召抱えた。ラシュリは不吉な名前を改め、ガンデロイに名前を送る。美しい黒鳥・ジェルイードをイメージし、ジェイドと名付けた。訳あって半年以前の記憶を亡くしているジェイドは、朴訥で真っ直ぐな男だった。朴念仁で不器用な事もあるが、従者の兄妹達にも受け入れられ、ラシュリの心も慰めた。
ジェイドは特別な能力を持つ不思議な男だった。その上ラシュリに対して篤い忠誠心を向け、恋情を隠さない。ラシュリの心がジェイドに強く惹かれて行く中、嫉妬を覚えたザクトーレは、ジェイドを裏切り者に仕立て投獄してしまう。しかしザクトーレの嫉妬が収まる気配は無く、ラシュリを手元に置きながら不可侵条約を破り、アベリエへの侵攻に動き始めた。
ラシュリが大切にする竜の鱗、ラシュリとジェイドの過去の関わり、ジェイドの秘密。そして二人を見守る謎の聖皇サラマーヤの存在。ガズマールを制圧する(ラシュリの母国を含めた)2国間の動向、ガズマールからのラシュリ達の脱出劇―。
色々な要素が重なりますが、竜や人智を超えた聖職者が関わる話に弱いのでしょうか、私。
吉田先生の「神官シリーズ」でも重複した要素が登場しますが、判り易いファンタジー設定が絡められていると、(こう言った世界観が好みでもある為)素直に作品世界を楽しもうとしてしまうのですよね。突っ込みたいと感じる穴も無い事は無いのですが、「この世界を楽しんでしまおう」と言う基本姿勢で作品に触れる事が出来ました。
ただ、読後の読者判断は大きく分かれるような気もします。設定と進行だけを言えば、それ程物珍しい展開はありませんからね。英田先生の初ファンタジーと言う事で、無難に進めた衒いは感じます。その点では物足りなさを感じたり、判断基準が厳しくなる事もあるかも知れませんが、ベタなものを楽しみたい方には楽しめる作品となるような気がします。
私の場合も後者なのですが、元々こう言った世界設定が好みである為、スケベじじいが本当にスケベじじいだった事にテンションを上げたり(すみません)、ジェイドの剣闘士設定に萌えたり(個人的に好きな設定なんです)、宦官・カルミナの立場や恋がそこはかとなく切なかったり、聖皇サラマーヤがあまりにも謎がめいていて萌えてしまったり、妙な方向から楽しんでしまいました。
メインカップルも可愛かった♪
強気で健気でおおらかな部分があるラシュリも可愛いし、朴訥で真っ直ぐで、でもラシュリが大好きで仕方が無いジェイドがまたたまりません。(笑)
朴念仁とされているだけあり、元気良くキャンキャン騒ぐタイプではありませんが、朴訥系で必要以上の無駄口は叩かないのに、水面下では煮え返りそうな程の情熱でラシュリを想っている様子が物凄く可愛い。
作品の後半では、ジェイドとラシュリ。揃って命の危機に晒されますが、それを乗り越えた後の展開にニヤついてしまいました。ガズマール国の皇太子による国内粛清の結果、近隣国家間の抗争も収まった。ラシュリ達も母国に帰還する事が出来ましたが、その後のラシュリが焦れてしまう展開は、特に萌えました。ラシュリとジェイドは寄り添っていますが、ちょっとした事情で夜の時間を持つ事が出来ない。ジェイド側に事情が発生している事が大きいのですが、サラマーヤの助言にヒントを得たラシュリの行動が大胆で良いです。超的誘い受で。(笑)
レーベルカラーである、「ビタースイーツでよりDARKな新選択危険領域」からは少し逸れた気がしますが、結果はラブラブの大団円。
パンチの効いた作品の後に手を出したせいもあるでしょうが、世界観を楽んで拝見させて頂く事が出来ました♪
ただ、ジェイドとラシュリが異種同士である事や、何処までも謎の多いサラマーヤについて等、色々と気になる要素も多いので、今作を前哨戦として、続編やリンク作で作品世界を盛り上げて頂けると嬉しいです。
それにしてもまあ、榎田先生に英田先生と、この所のBL界は、意外な作家さんの洋物ファンタジー進出が続いていますね。
同時期に発売されるとどうしても比較をしてしまいたくなるのが読者心。「妖精を嫌っておきながら、いざとなったら妖精頼みで物事を解決してしまった攻」が登場してしまったあの作品よりかは、無難に仕上げられた今作の方が楽しめました。小さい穴は気になりますが、一通りの辻褄は合っていますしね。
更には妙な話で申し訳ありませんが、榎田先生と英田先生のファンタジーを読んだ事で、「吉田先生は上手い作家さんだったのだなあ」と感慨に耽ってしまいました。(苦笑)
たまに異常な程のトンキワを放出しながらも、基本的には安定した作風なのですよね。人物はトンキワでも、人物達が暮らす世界そのものには違和感を感じる穴が少ないと言うか。ファンタジーで言えば「神官シリーズ」がそれに当たりますが、羅剛様の暑苦しさや沙紗の危うさや、人物のトンキワ要素は兎も角(笑)、「人々が暮らす箱」の世界観そのものはしっかりと練り上げられているのですよ。その辺りは「ベテラン作家の貫禄」と言うものが出ているのでしょうね。
榎田先生や英田先生も、基本的には強味の多い作家さんですので、ファンタジー部門でも強い作家さんになって頂けると嬉しいです。
黒い竜は二度誓う(bk1)
★可愛いレンタルサーバーLOLIPOP!
⇒ ハスイ (08/26)
⇒ 摩緒 (08/26)
⇒ ハスイ (08/19)
⇒ mudanahibiwokasanete (08/18)
⇒ ハスイ (08/07)
⇒ 摩緒 (08/07)