

【内容紹介】
金色の砂、灼熱の太陽。夢に見た砂漠へ旅立つ蓮は、怪しげなアートディーラー・剛将と出逢う。初対面なのに、なぜか彼と蓮だけが共有した、鷹の羽音の幻聴──それは遙かな昔に始まっていた、運命の恋の手がかりだった。転生を繰り返し、巡り会った二人の愛は果たして叶えられるの!?愛した罪の起源・エジプト編に加え、古代中国編ほか書き下ろし。和泉桂、岩本薫、木原音瀬、ひちわゆか。超人気小説家集団「Unit Vanilla」始動!!
日本最大級ネット書店のイーブックオフ
【感想】
オンライン書店ビーケーワン
雑誌連載時から異様にテンションが上がって仕方が無かったこのシリーズですが、漸く新書化されて嬉しいです♪
とは言うものの、輪廻転生が前提となっている為、剛将×蓮以外の人物達は全てが哀しい最期を迎えます。
一度は心が通じ合うものの、迎える最期は哀しいものばかり(江戸編には特に号泣させられました)。
第1話でアケトとセシェンが犯した罪を背負って転生した二人には、幸せを貫く事は許されません。
心から想い合える相手と出逢いながらも、最期には引き裂かれてしまう事を繰り返す―。
そう言った点では、死にネタが苦手な方には超絶的に地雷となるシリーズかも知れませんね。
雑誌連載にテンションを上げていた私は、新書に入る書き下ろしは「雑誌連載時に登場したカップルが哀しい最期を迎える以前の穏やかな日常の様子」が読めたら良いなあ、と勝手に妄想していたのですが(可哀相ですね)。
書き下ろしは新たなカップルが登場して驚きました。
平均、1冊で2カップルの悲恋が収録されている為、4巻までのカップルの数が結構な数になりますね。
そこだけを考えると、1話と最終話、及びプロローグとエピローグ以外のお話は、1話の二人の「愛した罪」を継承し出逢いと別離を繰り返す、テンプレート方式のアンソロジー的な意味合いが強いように思います。
その為、惰性だと感じるか、割り切って楽しむかで感想が分かれて来るような気もします。
単細胞の私は、ガッツリと楽しんでいますけれども。(苦笑)
と言った所ですが、そろそろ各話の感想へ(毎度のように前置きが長くてすみません)。
【プロローグ】
数奇な運命に翻弄された恋人達の「罪」に終止符を打つ二人が登場。
セシェン(受)の生まれ変わりである奈良岡蓮は大学生。教授からの頼みもあり、彼の孫である少年と砂漠の地へと向かいます。途中、空港で遭遇したアートディーラーの墨田剛将(攻のアケトの生まれ変わり)の警告を聞き入れずに砂漠へ旅立ちますが、剛将が危惧した通りに飛行機は不時着。
その後の二人の様子は最終巻へと続きますね。
雑誌掲載時にチェック済みではありますが、過去の人物達から考えると、大分お下品に転生してしまったこの二人にはびっ栗です。(笑)
水が苦手で勝気な蓮はまだましも、剛将のエロオヤジ+下品振りにはテンションが上がりました(え?)。飛行機で白人パーサー(もの凄く美貌の男性である様子)を相手にレストルームの個室でイチャつく辺りは流石の一言。
事後にうっかりしてベルトを着け忘れたパーサーが、丈「を赤らめつつ剛将からベルトを受け取る様子に萌えました。(腐っていてすみません)
それは兎も角。
剛将と蓮は、お互いに「口撃」をする様子が面白い二人なので、全サ等で、この二人が出来上がる話や、出来上がった後のお話が読めたら嬉しいです。
※追記。↑上ではこのように認めていますが、本に挟み込まれていたリーフレットにて、4巻の書き下ろしで剛将と蓮のその後のお話が読めると記載されていました。自分のうっかり振りに恥ずかしさを覚えますが、その後の二人の展開が読める事は嬉しいです♪
【第1話】
舞台はエジプト。
このシリーズの「愛の罪」の起源である二人のお話。
一国の王子であるアケトと神官のセシェンは、心の奥底では強く想い合っています。
アケトには、天空の神であるホルス神の化身とされる鷹の形の痣があり(こちらは生まれついてのもの)。
セシェンには、再生の象徴とされる睡蓮の痣(とある事情からつけられる人為的なもの)が生まれ。
それが以降の作品に登場する人物達(転生後のアケトとセシェン)にも現れます。
少し話が脱線したので軌道修正をしますが(すみません)、身分や性別と言った障害を自覚しているセシェンは、アケトへの恋情を祈りに変えて神官として日々を過ごしています。
しかし、強い恋情で結ばれた二人は一線を超えてしまいます。
一度身体を交わして以降、益々恋情が募る二人でしたが、二人に嫉妬をしたティティ(特別な能力を持ち、神の信託を告げる事の出来る少年)が偽りの信託を告げ、結果としてアケトとセシェンは哀しい別離の道を辿る事に。
自らの意思で信託を違えたティティも、罪を償う為の方法を探す為、永遠に時を生きなければならないと言う罰を背負います。
アケトとセシェンの死後、転生する二人を探し続けるティティと、二人の下に形を変えて流れ着くラピスラズリは切なさを誘います。
それにしても、第1話だけあって結構ゴツっとした印象のある作品でした。神や宗教と言った要素が根深く取り込まれているので、少々コッテリ気味。
しかし、二人の初めてが漁師小屋と言う設定に萌えさせて頂きました。
情熱を抑え切れずに漁師小屋に清楚な神官を連れ込むアケト(しかもきっちりと、人が入らないようにしています)。
そして、連れ込まれた漁師小屋で感動を覚えるセシェン。
こう言う設定は大好きです(腐っていてすみません)。
それまでは、アケトの「目」として身近に存在した(ホルス神の庇護の象徴にも思える存在の)鷹(ウェジャト)には見限られ、神域を血で穢した二人の最後を考えると、それはもう切ないものがありますけれども。
それにしても。
アケトとセシェンを別離させて以降、永きに渡って転生した二人の怒りを解かないアメン神が凄いですね。
考えれば考える程に、もの凄い執着だと思います。
【第2話】
こちらは古代中国ものですね。
一瞬、中国物の定番(と私が勝手に考えている)「やおい王朝」ものかと考えたのですが、少々毛色の変わった中国話でした。
幼い頃に出逢っている二人が再会をする話なのですが、美形で優秀な文官である攻めが兎に角ヘタレなんですよね。(ニコニコしながら)
受けの子もまあ、「良くぞここまで!」と思える程に自己中心です。
どちらも出自には恵まれなかった苦労人でもある二人ですが、一途で素直で、だからこそ超絶ヘタレな攻めと、気が強くて直情的な受けの組み合わせは面白かったです。
元は物乞いの子、現在は優秀な文官である鷹峻と、冠や釵等の細工職人である紅蓮。
顔に大きな痣を持つ紅蓮は卑屈に育ってしまいましたが、現在では細工物を作る事が生き甲斐となっています。
しかし。
繊細な細工物を作る職人として才能を発揮しながらも、自己努力ではどうにもならない障害に邪魔され、職人としての出世が叶いません。
そんな折に出世をした幼馴染みの鷹峻に出逢い、鷹峻が自分に寄せている想いを利用し、自らも出世を果たします。
鷹峻の後ろ盾を得る為に、本意では無いながらも身体を差し出した紅蓮ですが、己の愚かさと鷹峻の真心に気付いた後、漸く心を通わせる事に。
視力を失ってしまった鷹峻と、鷹峻の視力を取り戻す為に心を入れ替えた紅蓮の一途さが何とも言えませんね。
穏やかな気持ちのままで死期を迎える紅蓮には、うっかり泣かされそうになりました。
紅蓮が見る就寝中の夢や、鷹峻が大切にしている蜻蛉の思い出も、作品の読後に思い返すと切なさが増しますね。
雑誌連載時には、兎に角江戸編に泣かされて大変だったのですが、今回の書き下ろし分も中々のものでした。
年齢の割りには初々しさや幼さが目立つ二人でしたが、だからこそ、この設定や展開が活きているように思えました。
心が完全に通い合う以前に、紅蓮に利用されている事を知りながらも、紅蓮と過ごす時間を大切にしていた鷹峻の一途な純情さも良いですねえ。
紅蓮と一緒に過ごす事に喜びを見出しつつも、その影では葛藤や苦悩を抱えていただろう事を考えると、切ないし萌えます(腐っていてすみません)。
基本的にソープオペラ展開が大好きなので、今後の書き下ろし分への期待もうなぎ上りです。
妙な萌え方をしているせいで、必要な所が抜けていたり(更には文章も支離滅裂だったり)と申し訳ありませんが、このシリーズは好き過ぎて仕方がありません。
すっかり論点も観点も曲がりきっていますが、まだまだ萌えさせて頂きますよ!
SASRA 第1巻(amazon.co.jp)

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