

【内容紹介】
母親の死をきっかけに舞台に立てなくなったダンサーのテオ。気分転換にとすすめられた映画出演で若手人気スターのダレンと出逢う。冗談でしはたずのキスでゴシップ誌は大騒ぎに。
「君の冗談の続きは?」「・・・シナリオ次第だ」
華やかなハリウッドスターの恋と人生の物語から京都祇園を舞台にした和の世界まであらゆるシチュエーションを芸術的なタッチで描く待望の初コミックス。
日本最大級ネット書店のイーブックオフ
【感想】
DHCオンラインショップ
名前がとっても印象的な作家さんですね。
収録作品は以下のとおり。
・カーテンコール
・ショーが跳ねたら逢いましょう
・cafe et cigarette.
・Rokin'in my head.
・nero
・モノクローム
・ひぐらし、油照りの路地
作品と言えば、一作一作に感想を認めようと思うと難しい部分がありましたので、今回は全体を纏めて一括りにした感想にさせて頂こうと思いますよ。
さてさて。才色法を目にして、何とはなしに、アンディ・ウォーホールやピエト(ピート)・モンドリアン、ジャクソン・ポロック等、クラシカルなポップアートのアーティストが好きそうな作家さんだなあと、勝手に考えておりました。因みに私は、尾形光琳や俵屋宗達(両氏とも国宝級の作品を多数残していらっしゃいます)の作品を目にすると、テンションが上がります。現存していらっしゃる作家さんだと、山口晃さん(United Future OrganizationのCDジャケットにも使用された作品が、三浦しをんさんの作品の表紙にも絵が使われておりました)の作品も素敵です。訊かれてもいないのに(更にはジャンル違いのアートなのに)答えてみましたが、誰も興味はありませんね。この辺りの話になると、「情熱シリーズ」ではしゃぐ以上に暑苦しくなってくるので、自主的に寸止めにさせて頂きます。本当にすみません。
と言う事で、無理矢理に話を戻しますが、クラシックなポップ・アート以外の部分では、音楽だと、ゴス系のパンクだとか、ノイバウテン(Einsturzende Neubauten)のようなノイズや、70〜80年代のグラム系のイメージが脳内で湧き上がりました。大音量で流れるパンクやノイズではなく、「嗚呼、聴こえるわ」程度のかすかな音量で流れるパンクやノイズやグラム系の音楽が。その反面、「静」を軸にし、「動」が周囲で回流をしているような不思議な感覚も覚えました。後は、絵柄や作風は違うのに、初期の楠本まき作品のような「匂い」を感じましたしね。淡々と進む展開の中で、常に漂う虚無感のような匂いを。
両作家さんとも、影響を受けた「核」の部分は同じで、向かった先が違った結果が「作品の違い」に表れているのかなあとも。(これはもう、読み手の勝手な推測でしかありませんが)どれだけ動きのある展開でも、軸になっているのは「静」や「空」と言う感覚が残った事も面白い。最も、個人の独断的な感想ではありますけれども。こう。作品を読んでいる間には、(物が動かないはずの)真空管の中で「静かに大きく」何かが回流しているような、奇妙な感覚を覚え続けました。
とても曖昧な表現で申し訳ないのですけれども、ちょっと不思議な読後感があり、台詞があるのに、サイレント映画を観ているような気分にもなりました。何とはなしに、「「スタイリッシュ」とはこう言うものではないかなあ」」と思える一作です。
キャラクター同士の会話に見られる、独特の間合いも面白い。「無言なのに会話が成立している」そんな、様子を感じられますしね。絵柄だけではなく、ストーリー捌きにも独創性を感じます。この作品を読んでいる間は、クラシカルなポップアートや、70〜80年代の特定のジャンルの音楽が脳内で回り続けていましたが、「cafe et cigarette.」を読んでいる時には、「この作家さんはグラムロックもお好きなのではないかしら?」なんて事も考えましたね。
この作品を読んでいる時には、特にはルー・リードの「トランスフォーマー」と言うアルバムの曲が脳内で回りました。具体的には「ヴィシャス」や「サテライト・オブ・ラブ」だとか。
一つのショート作品を読んでいて、あまりにも具体的に音楽が脳内で回るので、読んでいる自分自身の脳内状態にも面白さを感じました。マイクを握ってシャウトをしている人の姿を目にした際には、ベルベット・アンダーグラウンドや、イギー・ポップの薫りも感じました。常々、色々な事柄を面白がって楽しめる作品でしたので、一時的にドーパミンの動きも活発になったのかもしれません。(笑)
作品のストーリーと言う以上に、「空気感」や「雰囲気」を楽しめると言う辺りにも、面白味を感じた作品でしたしね。作品を通して、色々な事に面白味と興味を覚えた作家さんですので、今後もチェックを入れて行きたいと思います。手短い割には、やっぱりマニアック気味で暑苦しい感想になってしまってすみません。
常以上に、支離滅裂な文章の感想にはなってしまいましたが、「読んで良かった」と思えた作品でございました。
ショーが跳ねたら逢いましょう(amazon.co.jp)

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